メガネくんと私


「よしっ!じゃあ帰るか♪」

パッと手が離された。


「うん。」

はぁ〜…
緊張したぁ。


「ほれ。」

スッと出された右手。

「?」

「手、かせ。
どーせ望歩くの遅いだろうから、引っ張ってってやるよ。」


「はぁ?!勝手に遅いとか決めないでよ!」


“引っ張って”って事は、手繋ぐって事だよね?!


ドキドキ

ドキドキ

お兄ちゃんの病院に駆け付けたときにも繋いでもらったけど、あの時とは状況が違うもんっ!

心臓ばっくばくだよ〜!!!


「…じゃあ望は、俺と手繋ぎたくねーって事だな。」

メガネくんがクルっと前を向いてしまった。


「ち、違う!ただ恥ずかしいだけで……」

「……。」

メガネくんは前を向いたまま無言。

もしかして…

ショック受けちゃったのかな?

う〜…

こうなったら心臓破裂覚悟だ!


「る、琉也さん!
…手、繋ぎたいですっ!!」