ぎゅっ


お兄ちゃんが雪乃を抱き寄せた。

「楓さん?!」



「もう泣かないで。俺は二度と雪乃ちゃんに嘘はつかないって誓うから。いつもの俺の好きな可愛い笑顔を見せて?」



「…うん。」



雪乃が顔をあげた。



「いー笑顔だ。」



お兄ちゃんも微笑んだ。



その時の雪乃の顔は、今まで私が見た事のないようなほど可愛い笑顔をしていた。