「知ってるんだったら、こんな余計な仕事させないでよ」
私は、ぷりぷりしながら、言い捨てた。
そうなんだ。
毎月、第二週目の金曜日、私は、会社が終わってから、
大阪にいる、タクヤの元へ向かう。
私たちは、遠距離恋愛、2年目だった。
タクヤとは、短大時代の友達の紹介で知り合った。
当時、タクヤは、東京にある大手銀行の本店にいた。
友達のカレが、タクヤと同じ銀行の同期だったことから私たちは、紹介され、付き合った。
関西出身のタクヤは、私にとって、新鮮な存在だった。
時折、出る関西弁は、普通にしゃべっていることでも面白く聞こえた。
「まぁ、ええやんか」
こんな一言でさえ、生粋の関東人の私には、あったかく聞こえた。
私たちは、とてもうまくいっていた。
タクヤの転勤が決まる2年前までは・・・。

