吉田くんは、ゆりと同じ2年後輩。

でも、私は、短大卒で入社して、吉田くんは大卒で
入社しているから、歳は、同じ。

だから、ため口だし、こうして、強引な要求もすることがある。


「もーーー!」

私は、計算途中の書類から、目を離し
【翌日扱い】のカゴから、吉田くんの出張精算表を取り出した。

【締後】のハンコを威勢よく押したら、ポン!とすごい音がした。


「おおっ、サンキュー」


吉田くんは、そう言いながら、私の肩に手をおいた。

私は、それを振り払いながら、電卓を押して、
計算し伝票を起票した。


「はい、これ、須藤さんところで、出金してもらって」

私は、乱暴に、書類を吉田くんに渡した。

吉田くんは、手をあわしてその書類を取り、


「また、行くの?大阪?」

と聞いた。