ピンクダイアモンド【短】


「ムリ!」

私は、すげなく言いながら、その書類を【翌日扱い】と書かれた
カゴへほおりなげた。

「ええっ!俺、これ精算してもらわなかったら、週末、金ねぇよ」

吉田くんは、大げさな声をあげた。

「銀行にあるでしょ、ATMで引き出したら?」

私は、電卓をポンポンたたきながら、

吉田くんの方も見ずに言った。

「そのATMにも、ないっつーの・・・ねぇ、頼むよ」

吉田くんは、私のデスクの横に、しゃがみこみ、手を合わせた。