新大阪に着いたのは、もう、10時前だった。

「帰るの、おそなったわ」 「ほんまや、はよ帰ろ」

大阪に着くと、私は、この関西弁にかこまれる。

私は、関西弁がキライだった。

いや、タクヤが私に話す関西弁は好きだった。

関東弁がとりまく東京で、タクヤの話す関西弁は、優しく聞こえた。

でも

この大阪で、普通に耳に入ってくる関西弁は私には、キツかった。


私は、大阪の街がキライだった。

東京と比べて、ギラギラした感じがしたし、人は、あつかましいことに
平気な気がした。

でも、一番、キライだったのは、あたりまえのように耳に入ってくる関西弁だったかもしれない。