「はい、はい、それは、もう、月曜日にもう一度ご返事いたしますので」
私は、受話器を肩と耳にはさみ、手は、また、別の仕事の書類の処理に
追われながら、返事をした。
今は、金曜日の5時前。
遅くても5時半には、オフィスを出たい私は、千手観音のように
複数の書類を手にしながら、処理を急いだ。
「マナミ先輩、タイムリミット、あと10分」
2年後輩のゆりが、私の周りの書類をまとめながら小声で言った。
そんなこと、わかってるよ・・・
間に合うかな?新幹線・・・
いらいらしながら、書類をまとめている私に
追い討ちをかけたのは、営業の吉田くん。
「これ、お願いできないかな?」
出張経費の精算表だった。

