「すいません。」
駆け寄るアタシは
足が止まる。
「な…んで…?」
ビックリして
声がどもる。



遥の手を引く
隼人。
「隼人…?」
思わず口を両手で塞ぐ。




遥と隼人が
笑顔で近づく。
「どうして?」
一瞬
目眩がした。



隼人が受け止めた。
「磨美。」
そう言って
抱きしめる。



これは
夢なのかもしれない


そう
思った。



でも
確かに
隼人の腕は
ここにある。



「どうして?」
アタシは
砂の上にしゃがみ込み
隼人に聞いた。


「ただいま。
探したよ。」
微笑み隼人が言う。



隼人の頬に手を当て
もう一度聞いてみた。
「どうして?
どうして
ここにいるの?」




「言っただろ?
俺は磨美が好きなんだ。」
隼人は
静かに話し始めた。