「ちょっと止めてよ!」
大声で叫んだ。
アタシは
両手両足を
大の字に開いて
歩道橋の前に
立ちふさがった。
アタシを
止める作業員の手で
目が覚めた。
周りの人々が
集まって
ざわめき声が聞こえてきて
そのまま
意識を失った。
目が覚めると
そこは
病院のベットだった。
何が起きたのか
分からなかった。
病室の扉を開ける
音が聞こえた。
入ってきたのは
幸子だった。
「何してんの?」
イスに座りアタシに聞いてきた。
「隼人との思い出の
歩道橋が壊されたんだもん。」
アタシの顔は
すぐに
涙でぐちゃぐちゃに
なった。
「違うよ。
その事じゃないし」
大きなため息を吐き出し
幸子は
呆れてるといった
口調で
言った。
「何?」
アタシは
幸子に聞いた。
「あのね…
魔美が倒れたのは
栄養不足だよ。」
って
アタシを見つめて
言った。
「どうして
子供の事
考えられないの?」
そう
幸子は呟いた。
アタシは
幸子の言葉に
ハッとなった。
「赤ちゃんは?」
幸子に聞くと
「大丈夫だよ。
でも魔美
親でしょ?」
って
言ってきた。
アタシは
情けなかった
情けなくて
涙が止まらなかった。
自分のせいで
赤ちゃんが
いなくなってたかも
しれなかったから。
アタシは
最低だった。
