キミのトナリ



「ママは
いくじなしだね。」
そう
お腹の子供に
話しかけた。




すっかり
アタシは
ママになっていた。



「しっかりしなくちゃね」
そう言って
涙を拭いた。



アタシは
今まで
いくじなしだった。



もっと
自信をもたなくっちゃ
隼人にも
ちゃんと伝えよう。
自分達の子供の事。



隼人
ビックリするかな?
隼人
なんて
言うのかな?
一回は
別れたけど
アタシの事
まだ
好きだって
言ってくれたし
大丈夫だよね。



隼人
喜んでくれるかな?



喜んでくれるよね。



もう一度
やり直せるはず。
もう一度
キミのトナリに
寄り添える未来。



今度は
三人になるんだね。



思わず
顔が微笑んでいる。



ショーウィンドーに映る
自分の顔が
にやけてて
なんだか
気持ち悪くて
顔が赤くなって
恥ずかしかった。



足早に
隼人に会いに行く。
隼人の顔が目に浮かぶ。
空からは
静かに
雪が
舞い降りていた。



神様が
祝福してくれてる様な
気持ちになった。