あれから
数日の時間が流れた。




アタシは
病院を退院した。



傷は残ったけど
得たものも
多かった。




幸子は
あの後
お見舞いに来てくれて
ココロの底から
悪い人間なんていないと
思った。




だから
余計にアタシのココロの中が
締め付けられる。




例えば
幸子が根っからの
嫌な女だったら



アタシは
隼人との幸せを
見せつけてしまうくらい
だと
思う。




でも
やっぱり幸子は
良いやつで
子供を流産した事とか
色々…
幸子目線で見たら
なんだか
悲しくって
隼人と幸せで
良いのかな。
って
思ってしまうんだ。




アタシは
そこまで
大切な者を失ったことがない。
流産なんて
経験したら
アタシは
一体どうなってしまうんだろう…。




しょうがないのかな?




「磨美。」
笑顔で幸子が病室に
やってきた。



沢山の花束を持って。




「本当にごめんなさい。
磨美が生きてて
良かった。」
笑顔で言う幸子。




「アタシは
そんなに弱くないから。」
そう
言って
幸子から
花束を受け取った。




ピンクや赤や黄色で
彩られた
ガーベラの花束は
アタシに元気と安らぎを
与えてくれた。