「1ヶ月記念の?」
アタシはドキドキしながら聞いた。
「そうだよ。」
隼人が答えた。
「じゃあ。
チョット待ってて。」
アタシは慌てて
自分ちに帰る。
荷物を持って再び
隼人の家に入る。
「磨美どうしたの?」
唖然とする隼人。
アタシは笑みを浮かべて
後ろから袋を出した。
「ジャーン!」
「あっ!ワイン?」
「隼人ビンゴ!
今日は1ヶ月の記念に
スパークリングワイン買ってきたの」
アタシなんか嬉しい。
「グラスも買った。
隼人はブルー
アタシはピンク」
隼人ビックリしてる。
「もしかして
それって
あの日の色?」
「そうだよ。」
下を向いて
アタシは笑う。
隼人が聞く
あの日の色。
初めてブルー(バー)で
飲んだ
あの日のカクテルの
色。
カクテルの作り方
知らないから
グラスを買ってみたんだ。
「チョット洗ってくるね。」
アタシはキッチンへ
向かう。
「うん!」
そう言った隼人は
ウキウキした
子供みたいだった。
子供の様な隼人。
時々
怖くなる。
アタシは
不倫していたから
汚れてる様な
気分になる。
そう思うと
暫く隼人には
触れられない。
隼人も汚れてしまう気がして。
