隼人は
まだ帰って来ない。
…
…
5分経過
…
…
10分経過
…
…
15分経過
…
…
すると
息を切らして
隼人が戻ってきた。
「磨美待たせて
ごめんなさい。」
「待ってない。
平気だよ。」
本当は
結構待ったけど。
これは
言わないようにしてる…。
「目…目瞑って。」
息を切らして
隼人が言う。
アタシは
何も考えないで
目を瞑った。
「はい。
目開けて良いよ。」
目を開けるアタシ
「えっ?なんだったの?」
アタシは
よくわからなかった。
「えっ?
分かんないの?
胸元見てみ。」
そう言った
隼人は
アタシの胸元に指を指した。
そこには
ハートをモチーフにした
ネックレスが揺れていた。
「可愛い。」
ビックリしたけど
凄く嬉しかった。
「これ…」
「磨美にあげるよ。」
隼人は微笑みながら言った。
「さっき
磨美と歩いてるときに
見つけたんだよね…。」
そんな時に
見つけたネックレス。
アタシに買ってきてくれたんだね。
でも
アタシ何もしてないよ。
「隼人…
嬉しいけど
これ
貰えなっ」
その時
隼人の手が
アタシの口を抑えた。
「シー。」
隼人が言った。
アタシは
何が何だかわからなかった。
