アタシ達は
ブルーを出た。
歩いてる途中
川が流れてる。
隼人が
川に行こうって言うから
河原に降りる事にした。
今の季節は
秋なのに
隼人は水の中に足を入れて
川に入った。
「磨美見て。」
「どうしたの?」
「月の光が川に写ってて
凄く綺麗だよ。」
隼人が言った。
「ホントだぁ。」
本当にキレイに見えた。
その光が隼人にも反射して
またキレイ。
月が綺麗すぎたのか
アタシの頬には涙が伝っていた。
なんで泣いてるのか
自分でも
分からなかった。
まだ
忘れられてないのかな?
…
…
明日から
不倫の彼のしらない
アタシの毎日が始まる。
アタシは
彼の前で泣いた事なんて
一度もなかった。
でも
隼人の前だと
自然に泣ける。
なんか泣ける自分が
嬉しかった。
いままで堪えてた涙は
頬を伝う涙は
温かかった。
さっき
沢山泣いたから
もう枯れてしまったんだと
思ってた涙は
今でも静かに流れ落ちる。
隼人の方を見る。
隼人は心配そうに
こっちを見て
アタシの所に駆け寄った。
「どうしたの?」
心配そうに
隼人は聞いてきた。
「なんでもないよ。」
アタシは
隼人に笑いかけた。
