隼人は素直だ。
思ったこと
伝えたい事
全部
素直に聞いて
素直に受け止める
なんて
隼人は
温かいのだろう。
隼人といると
さっき失恋して
泣いてたアタシがバカみたいに
思えてしまう。
今度付き合う時は
隼人みたいな人が良い。
自分が素直になれる気がする。
この時間が
ずっと続けば良いのに。
優しい時間。
でも
隼人の事は好きになれない。
まだ
あの男と別れて数時間じゃないか。
今
隼人の事
好きになったら
アタシは
ただの軽い女になってしまう。
「どうしたの?」
隼人が
アタシの顔を覗き込む。
「な…なんでもない。」
アタシはグラスを
ギュッと握りしめて
一気にカクテルを飲み干した。
「すごいね!!磨美は
酒強い系?」
笑いながら隼人は
言った。
「強いよ。」
そう言ったアタシ。
一瞬
自分の顔が
赤くなったのがわかった。
無邪気な隼人が
うらやましい。
アタシは
隼人には
どう写っているの?
心が
ドキドキして
言うことを聞かないよ。
こんな自分は初めてで
なんだか
愛しく思えてしまう。
隼人の事失いたくないな。
でも…
