ドサッ
「いったぁーい」
アタシは後ろから引っ張られた
男と一緒に
倒れこんだ。



「何やってんだよ!!
あぶねーだろ!!」
突然怒鳴り始めた。


「はい?」
こいつ何言ってんの?
ってか
こいつ誰?


男はさらに続けた。

「こんな所で自殺なんて
何考えてるんだよ!!
親に申し訳ないって
思わないのか?」
ヒートアップしながら
男は言った。

「はい?何言ってんの?」
アタシは段々ムカついてきた。

「あんた何勝手に勘違いしてるの?
アタシはただ
景色が綺麗だから
見とれてただけよ!!」


「じゃあ自殺しようとしてたわけじゃねぇーんだ。」


「誰が失恋しただけで
自殺なんて
考えるわけないじゃん!!」
あぁーっ!!
何で見ず知らずの奴に
ここまで話さなきゃいけないの?


「そうだったんだぁ…
ごめんな。」
何こいつ謝んの?

不倫男と被って見えるじゃん!!

「…余計な事
思い出しちゃたじゃん。
あんたのせいだよ!!」
気付けばアタシは涙をこぼしてた。


「ほんとにごめんな。」
男は本当に申し訳なさそうに、謝ってきた。


「勝手に勘違いして
勝手に謝って
バカみたい。」
次々に涙が溢れて来た。