「ただ…何となく。どれでもいいかなって思って適当に決めたの。」


つくづく嘘が下手だと思った。


もっと上手くごまかせればいいのに…。


「ふーん。じゃあ私も化学にすれば良かったかなあ…。それなら愛菜と授業が一緒になれたのに。」


和沙は先生のことすら、話に出さなかった。


なんだかほっとした。


自分の気持ちが知られてしまうから…というよりも


和沙も先生のこと、気になっていたらどうしよう…


その不安の方が本音かもしれない。