桜が春の日差しを浴びて輝いている。


草木が芽吹くこの季節は、いつも私の心をワクワクさせてくれる。


先生を好きになってから迎える高校2年の春は、ワクワクそしてドキドキで心が弾んでいた。


「愛菜は理科の科目、どれとったんだっけ?」 


友達の和沙が聞いてきた。

「私?化学…だよ。」


「化学!?難しいのによく選んだじゃん!」


びっくりしている和沙を見て正直ひやひやしていた。

化学を選んだ理由…。


先生の授業を受けたいから。


先生が好きだから…。


まだ和沙には、その思いを内緒にしていた。


だから、気付かれるんじゃないかって一瞬思った。


「どうして化学なの?」


ドキッとした。


なんだか見抜かれてしまうんじゃないか…そんな予感がした。