雨がしとしと降っているある日。


今日の化学は自習かあ…。

前もって先生から話は聞いていたけれど、その日が来ると、やっぱり寂しい。


化学の授業があるのに先生に会えないなんて…。


自習のために用意されたプリントも手につかない。


窓の外を見て、ため息をついた。


あのクラスマッチ以降、1週間くらいの間、先生はずっと私のことを気遣って、

授業が終わった後や廊下ですれ違った時


『大丈夫か?』『もう痛みはないか?』


そう声をかけてくれた。


ごく短い会話だけど、ずっとこんな風に話が出来ればなあ…。


そう思っていたけれど、結局またいつも通り、先生と話をしていない日々が続いていた。