「あれ?向田先生いないな…。」


保健室に入ると中は誰もいなかった。


入江先生は机の上を見ている。


「向田先生、グラウンドに行っているらしいな。そのうち戻って来ると思うけど…。」


どうやら机の上にメモが貼られていたみたいだ。


今、保健室は私と入江先生の2人だけ。


ドキドキしちゃうよ…。


「三咲、座っていた方がいいぞ。」


先生がイスを私のところに持ってきてくれた。


「ありがとうございます。」


目の上を手でおさえたまま、イスに座った。


保健室って、こんなに静かだったかな…?


部屋の中は、時計が時を刻む音しか聞こえなかった。