「三咲!大丈夫か?」


この声って…!


まだ少し霞む視界の前にいたのは、入江先生だった。

わざわざ心配して駆け寄って来てくれたみたいだ。


「あ…はい。大丈夫です。」


「目のあたりにぶつかったよな?念のため、保健室行った方がいいな。」


先生は優しく言うと、審判のところに行き、何か話をしてから、再び私のところに戻ってきた。


「立てるか?」


「大丈夫です。一人で行けますから…。」


私がゆっくり立ち上がるのを待って、先生は保健室まで付き添ってくれた。


こんなことってあるんだ…!


先生が私の隣を歩いているなんて、信じられないよ。