「大丈夫です。」


笑顔で答えると、先生はほっとしたようだった。

 
帰ろうとして、制服のポケットから自転車の鍵を出した時、うっかりその鍵を下に落としてしまった。


あわてて拾う様子を見ていた先生。


「三咲、その鍵につけてるのって…」


そう言うと、先生は引き出しの中から万華鏡を取り出した。


「実は俺も持っているんだ。三咲のより大きいけどな。」


そして万華鏡をくるくると回し始めた。