次の日も、熱は下がったけれど、布団にくるまって、じっと準備した旅行バッグを眺めていた。



みんな今頃何してるのかな…。


入江先生も楽しんでいるんだろうな…。


そんなことばかり考えてはため息をついていた。



「愛菜、具合どう?」


お母さんが部屋に入って来た。


「熱も下がったし、かなり良くなってきたよ。」


私は笑顔を見せた。


「ねえ、愛菜。明日も大丈夫そうなら学校行った方がいいんじゃない?一応修学旅行も授業日になるわけだし…。」


「そうだけど…。行っても2年生はいないんだよ?」


…それに入江先生もいないし。


「体調が良かったらの話よ。」


お母さんは、にっこり笑いながら部屋から出て行った。