「……ぅ…」



さっき溜めていた涙が、一気に出てきた。



「陽奈、自分を責めたらダメよ。今は、颯斗君が直るのを精一杯願いましょ…」


「…ぉ…母…さ……ん」



あたしは、お母さんに抱きついた。


まるで、5歳くらいの子だね…。


お母さんは、あたしが落ち着くまで、頭を撫でてくれた。



「帰ろっか。お父さんも美桜も、心配しているわ」



あたしは、小さく頷いた。



颯斗…早く元気になってね…。


そしたら、また遊べるからさ…。



そういえば、忘れてたけど、もうすぐあたしの誕生日。


自分の誕生日なんて、祝う気ない。


颯斗が元気になってくれたら、それがあたしにとっての最高のプレゼントだよ。



「颯斗…あたし、颯斗のこと信じてるよ…」



あたしは、空を見上げていった。


その日は、凄く綺麗な夕焼けだった。



颯斗…明日は晴れだね…。