颯斗の背中に手を回す。



風と一緒に景色も流れていく。


たまに、デコボコな道を通ると、鞄が一瞬宙に浮く。


坂道を上るときは、スピードが遅くなる。


逆に下るときは、速くなる。



「着いたぜ〜♪」


「わ〜い」



あたしと颯斗は、ゲーセンの中に入った。



「プリ撮ろうぜ〜」


「うん♪」



あたしの携帯の裏には、前に撮ったプリクラがまだ残っている。


少し黒ずんで剥がれかけているけど、あたしの宝物。



フレームを選んで、どんどん撮る。



「落書き落書き〜♪」



あたしはペンを手に持つ。



『ずぅ〜っと一緒♥』



そう書き込んだ。


颯斗は、



『愛羅武勇』



と書いていた。