そんなときは、親父の愛人が必死に探し回ってくれた。
親父は、俺が帰ってくるのを見ると、いつも嫌そうな顔をしていた。
でも、親父は愛人にもするようになっていった。
「辞めて…!!」
いつも夜になると、泣き叫んでいる愛人の声が響いていた。
俺は震えながら、会話を聞くことしか出来なかった。
俺が中2くらいのとき、親父は俺と愛人を捨てた。
俺は、凄く体が軽くなったように感じた。
愛人は苦しみのあまり、自殺した。
俺には、親父を憎むことしか出来なかった。
そのまま、俺はお袋の家に戻った。
いつも、インスタント食品を食べているようだった。
体も痩せ細って、別人になっていた。
俺は、貯めていたお金をちょっとずつ使って、インスタント食品の日々から、お袋を救った。
でも、お金はすぐになくなっていく。
俺は、いてもたってもいられず、新聞配達を始めた。
朝は苦痛だったが、お袋の為に頑張った。
お袋も頑張って、夜遅くまで仕事していた。
でも、豪華な暮らしが出来ることはなかった。
お袋が体調を壊したのだ。


