「…何も聞かないの?」
私と先生に今も微妙な空気が流れているのを知ってるはずなのに、何も聞いてこない皆瀬先生が気になった。
「聞いてほしいの?」
皆瀬先生は書類に目を向けたまま言う。
聞いてほしいわけじゃない。
むしろ聞かないでほしい。
だけどこの先の話が何なのかわからない私は、誰かに話したかったのかもしれない。
「言いたくないことを無理に言う必要はないわ。
辛くなったらいつでもいらっしゃい。いくらでも聞いてあげるから。」
皆瀬先生にそう言われ、目頭が熱くなるのを感じた。
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