『水族館って…… それ隣の県にできたやつか…… 俺ラッコ見てー!!』 実は陸は子供っぽかった。 『私……今年大学受験あるから家で留守番してるから』 姉さんが唐揚げをつまみながら言った。 『ねーちゃん待ってんの!? 新しい水族館すごくでかいので有名なんだぜ!?』 『しかも泊まる旅館には美人な女将がいるんだぞ!?』 父親も応戦する。 『あなた?それが目当てでその旅館に決めたの?』 口調は優しいが、母さんは確実に怒っている。