『海ー!!』



海の目がゆっくり閉じた。




私は冷たくなっていく海の手を強く握った。


何度も



何度も………



『残念ながら……』



部屋の隅にいた医者が海の冷たくなてゆく体を触って言った。



暑さが残る季節。



武田海の人生は幕を閉じた


その亡くなった海の顔は、


とても幸せそうな顔だった