卒業式が始まって、1人1人名前が呼ばれる。
陵弥のクラスから順に呼ばれて行く名前。
……川上 陵弥……
そう呼ばれた時、私は目を閉じた。
陵弥に出会った学校。
友達と過ごした教室。
陵弥と出会い、一緒に過ごした中庭のベンチ。
今日で最後……
陵弥からもらった制服のボタン。
『俺が信じられなくなったら返して』
そう言って私に握らせたボタン。
…陵弥を信じられなくなる事なんかなかったな……
そして制服…
私はそっと胸のボタンに触れた。
それぞれの思いを胸に…
今日、私達は明日へ旅立つんだ。
私の頬に静かに涙が伝った。

