翌朝、早めに部屋を出た。
人気のない朝の学校。
数ヶ月前と変わらない景色。
向かったのは中庭。
凜花と出会った中庭。
中庭のベンチから凜花のいる窓際を何度見上げた事だろう……
心が離れ掛けた時も、凜花の心を取り戻した場所。
そこへ行かずにはいられなかったんだ。
中庭にあるベンチ。
俺の特等席だった場所。
よくサボって寝てたな…
…凜花…?…
そこには、愛しくて、会いたくて。
堪らなく愛しいのに、自ら泣かせてまでも1人残して行った俺の大事な女。
凜花がいたんだ……
俺の気配に気付かないで、ベンチに寝そべり。
……凜花…
俺がいんのに気付かねぇなんて……
眠ってんのか…
目を閉じた凜花…
初めてここで出会った時も、凜花はこうして目を閉じて俺に気付かないでいたんだっけな……
「先客か…」
俺はそう声を掛けた。
初めて出会った時と同じ様に。

