1年記念日を静かに過ごし、季節は衣替えの時を迎えた。


ハンガーにかけたブレザーの第2ボタン……


陵弥と出会った時、私の髪が絡んだ陵弥のボタン。


『俺が信じられなくなったら返して』



心が離れそうになった時も返せなかったボタン……

今度この上着に袖を通す時は……陵弥はいない…



私は制服のボタンを指でなぞった……



「凜花ぁー陵弥君まってるわよー」



「はぁーい!」



階段を慌ただしく降りると笑顔の陵弥が。



「おっせーよ!!」



って、……何よ…自分が早くに来た癖に!!



陵弥は、わざわざ朝、私を迎えに来る様になった。


時々は私が陵弥のとこに迎えに行くけど……



「行って来まぁーす」



玄関を出ると、目の前に差し出される陵弥の手。



その手に笑顔で私は自分の手を絡める。



その手を陵弥がギュッと握り、私達は並んで学校へ向かう。



私の大切な日々。



大切な毎日……