*制服のボタン*a solemn promise*



「凜花…俺は夏休みになったらアメリカに行く。
卒業式には帰って来るよ…でも、その後はアメリカに残るか日本に戻るか決まってないんだ…」



そう言うと凜花はまた、ポロポロと涙を溢した。



俺が凜花を抱きしめると背中に細い腕を回す凜花…


「…俺…凜花に待ってろとは言えない……だけど…
凜花の事が好きだよ……」


…待ってろなんて言える訳がない。

凜花の傍にいてやれない俺に言う資格があるのか……

好きで、好きで…堪らなく好きなのに…


泣かす事しか出来ない俺が……


俺のいない間に、凜花の気持ちが変わったとしたらそれでも……仕方ない……


だけど…今は…今だけは…俺の傍にいて、俺だけ見ていて欲しい。




俺の背中に回した凜花の手が、ギュッと締め付ける。


「…何で…そんな事…言うの……何で…待っててって言ってくれないの……

待ってる間も、俺の事だけ考えてろ…って……
いつもの陵弥みたいに言ってよー…」



……凜…花……


ゆっくりと顔を上げた凜花が……



「…私だって…陵弥が好きで好きで…陵弥しか考えられないのに………待たせてもくれないの……」