新学期が始まって暫くした昼休み。
私と陵弥は中庭にいた。
「もう直ぐ1年の記念日だね」
「だな…凜花はどうしたい?」
へ?
首を傾げる私に陵弥が。
「普通、女って記念日とか何か拘るんじゃねーの?」
あ、あっそうなの……
そもそも、記念日とか迎える程、男と付き合った事のない私には何も思い浮かばない……
ただ、陵弥と1年過ごした事が嬉しくて。
記念日なんてそんなものかと思ってたから……
そんな私を見て陵弥が。
「んじゃ、学校終わりに俺んちで祝うか」
綺麗な顔で笑顔を向ける陵弥に……
「陵弥んちねぇー…」
横目で陵弥を見て言うと。
「な、何だよ…」
陵弥んちで何する訳…?
そう思うのは私だけ…
「ばーか!!お前、何考えてんの!」
「だって陵弥だもん!普通考えるよ!!」
スケベ!!
「だって凜花に触りたいって思うのはしょーがねぇだろ!好きなんだから!!」
う"……………。
きっと真っ赤な私。
好きなんだから…
私も好きだよ……
黙り込む私に陵弥は、そっとキスをした。
こんな中庭の光景を誰かが見てるなんて知らずに。

