新学期が始まり、ざわつく教室で卓に久美の事を話した。
「…久美って…まさか、あの女か?」
卓は同じ中学だったから、久美のやった事は知ってる。
「…まだお前に執着してんのか……凜花ちゃん大丈夫なのか?」
卓が心配そうに聞く。
「…凜花には全部話した…久美に会った時、凜花も一緒だったから…」
「そっか…まぁ前の事もあるし、凜花ちゃんの事が心配なのは分かるけど、学校も違うし大丈夫だろ」
「ああ…帰りは家まで送るし、出来るだけ1人にさせねーよ」
そう言って、窓の外に目を向けた俺の肩に、卓がポンと手を置いた。
「もし…何かあっても、もう離れたりすんなよ」
卓の言葉が胸に響いた。

