「やっと帰国して、一緒に暮らし始めた途端また陵弥は渡米…
今回は陵弥はね、凜花に待ってろって言ってないの…」


「どうして…?」



「帰ってくるのに、何年かかるか分からないから…

でもね……凜花がこの部屋で待ちたいって言ったんだって…」



凜花ちゃんが……

何年かかるか分からないのに?



「私なら待てないわ…でも羨ましい…
そこまで愛される凜花も、愛せる陵弥も

お互い、傷付けたり、傷付いたりして気持ちを深めて来たからなんだよね……」


「絆が深いって事…?…」



「凜花の心は陵弥だけのもの……
陵弥が初めて凜花を抱く時に言ったらしいわ、身体だけじゃなくて心まで抱きたい…って。

本当にその通りよ……凜花の全てが陵弥だもん……」


話し終わると沙織ちゃんは。



「誰が誰を好きになるのも勝手だけど、凜花は陵弥じゃなきゃ駄目よ……」



アイツじゃなきゃ駄目か…


「川上より早く知り合ってたら、違ったのかな……」


ポツリ呟くと。



「凜花と陵弥の出会いは運命だったのよ……」



そう沙織ちゃんが笑みを浮かべて言った。