放課後、私は先に学校を出てしまった花音ちゃんの後を追って商店街を走った。

私の班だけ清掃当番だったので、学校をでるのが遅くなってしまったのだ。


私は空色の屋根の前でやっと、花音ちゃんに追い付いた。

「花音ちゃん!」

大きな声で叫ぶと、花音ちゃんは立ち止まったが振り返らない。

「花音ちゃん!」

立ち止まったまま、花音ちゃんは動かない。背中に向かって私は言った。

「花音ちゃん!」
「なによ」

やっと花音ちゃんは振り返った。

頬に絆創膏が貼られているのが見えて、胸がぎゅって痛くなった。