花音ちゃんと私

休み時間、私はさりげなく彼に話し掛けた。

「ごめんね」とだけ言った。
彼は俯いて「うん」と返した。

花音ちゃんと私は一言も話さないまま、お互い一人ぼっちで過ごした。
花音ちゃんは私のほうを全く見ようとせず、近寄ることが出来なかった。

そして、一緒に帰ることもなかった。


火曜日も花音ちゃんは早めに教室に着いていた。

やはりお互い近づくことも話し掛けることもできず、時間が過ぎてしまう。

昼休み、お弁当を一人で食べていると愛美ちゃんが話し掛けてきた。