「るっ流偉~っ!!」

「バカ野郎っ!!勝手なことしやがってっ!!しかも発信器の電源さっきつけただろっ!」

「だって……」

「もういい。その話の続きはこいつを倒してからだ」

ソイルはゆっくりと振り返った。
「俺の楽しみを邪魔するヤツは絶対に許さんっ!」

「その言葉そっくりそのまま返してやるぜ!」





「もう終わりか?」

「まっまだだ……」
流偉はかなりのダメージを追っている。
立っているのがやっとという状態。

……恭子!
お願い!!流偉に『力』を貸してあげて!!



「……血……?」

手首に流れる、真っ赤な『血』。
そっか──。さっきあいつに掴まれた時に切れたんだ。

「芽実?」

「この血を見て……流偉」

「なんだよ」

「いいから!あなたは『ヴァンパイア』の血を受け継ぐ者……この血を見て何か感じない?」

「だから……いい加減に――」


ドクン、ドクン……高鳴る鼓動。




ドクン。




「流偉、あなたは……あなたは『ヴァンパイア』なのよっ!!」

流れる血、真っ赤な血。
この匂い……とても懐かしい、血の匂い。



俺は『ヴァンパイア』……。


そうだ……。昔、死んだ母さんが言ってた――、

”流偉、あなたの中にはヴァンパイアの血が流れているの”


”あなたの使命は人間を悪いヴァンパイアから守ること――いいわね。そうすることが、人間とヴァンパイアの血を持つ者の『運命』(さだめ)”


『運命』……。


”人間とヴァンパイアがいつか共生できるその日まで……”