「……っ……あ、おはよ。芽実」

「やっと起きたか、この低血圧」

ヴァンパイアが昼間活動せず寝ているように、彼もまた夜行性だったりする。
その辺りの血はしっかり受け継いでいるんだなぁ~。

そもそも私が流偉とパートナーを組むことになったのも……。

「ふぁぁぁ~そう言えばさ。今回の事件もあいつの仕業だろ」
彼は思いっきり伸びをするとゆっくりとソファーから立ち上がった。



あいつ……。



「多分ね」

それは私の親友、巽恭子(たつみきょうこ)の命を奪ったヴァンパイア……。

私は絶対に許さない。

この仕事を流偉とするようになったのも彼女の『死』がきっかけだったりする。
ちょうど私が『犯人』を追跡していた時に、彼もまたヤツを追っていた。

それは――偶然という名の『運命』の出会い……。