あたしはスーパーで、カートにカゴを乗せ動かしてくれる晋也さんの後を、いつものようにトタトタとついていく。
スーパーの中を軽く1周しようというところで、いきなり晋也さんが後ろからあたしに抱きついてきた。
「ちょっ……晋也さん…!」
だけど晋也さんは腕の力を緩めようとしない。
「人……来るし……!」
っていうか、胸の下を通ってあたしの脇腹ぐらいに伸びてる手がくすぐったい。
「もー人少ねーから。 ここ防犯カメラにも写んねーし」
いや…そーいう問題じゃなくて。
そう言おうと思ったのに、晋也さんの吐息が髪をぬけあたしの耳に当たって
あたしはビクッとして黙ってしまった。
「家着いたら、またキスしてもいい…?」

