「お前どこ行ってたんだよばかやろー。 心配したんだぞこっちは」 叩くようにポン、とあたしの頭に手を下ろすと、そのままぐしゃぐしゃと撫でた。 これが彼のクセ。 「…晋也さん……」 「ったく、ふざけんな。確認したらいねーの那奈だけだし。 結構本気で焦ったんだぞ?」 「……そーなの?」 ちょっとソレ…… うれしーかも。 「当たり前だろ? しかも何か弘明にまで勘ぐられたしな。 アイツもガキのくせにいい度胸してやがる」 「弘明に?」