あたしと彼のオトナな契約




「疲れましたけど…大丈夫です。 打ち上げ初めてだったんで楽しかったし」


あたしはあははっと笑いながら頭をグシャグシャした。



これは正直な気持ち。


初めて大人として見られた気がして、嬉しかった。


晋也さんと、同等な立場で土俵に上がれた気がしたから。



「なんかさぁ。 晋也って、何かと那奈ちゃんを気にしてるじゃん?」


「え……? そんなこと…」


「あるよ。 晋也と長年いれば、分かるの。 ちょっと妬いて、思わず聞いちゃった」



何を?


すぐにそう聞こうとしたけど、逆に怪しまれるかもしれないから


あたしはその言葉を生唾と一緒に、ゴクンと飲み込んだ。




「那奈ちゃんと付き合ってるの?って。 軽い冗談のつもりだったんだけどね」



そう言って、悲しそうに俯く果奈さん。