あたしと彼のオトナな契約




「2250円になりまーす」


「……あ」



あたしはバッグの中をガサガサと探る。



あれ?


……財布…置いてきた?



「2250円だっけ?」


後ろから声がした。


「晋也さん……」


「つかな、別に生活費とか食費とか、全部俺もちでいいっつったろ?」


「でも…」


「いーんだよ、まだガキなんだから。 そんぐらい甘えろ」


「……うん」



「じゃー行くぞー」


なんか、結局荷物も全部持ってもらっちゃったし…。


あたしなんて、きっと何の役にも立たないただの邪魔な小娘にしか過ぎないのかも。



…はぁ。




「おい、那奈」


車に乗ってすぐ晋也さんに呼ばれた。


「んー?」


顔を上げた瞬間。




チュ。