いつもの待ち合わせ場所は 会社の前のベンチ。 すっかり暗くなった辺り。 帰宅する社員達が 足早に通り過ぎる。 そんな人の群れの中 アタシは白崎の姿を見つけて駆け寄った。 「待った?」 彼がアタシに向ける笑顔は 他の人に向けるものとは少し違う。 アタシは確信していた。 彼はアタシに落ちかけている。 いつも二人で行くダイニングバー。 そこまでの短い道のりで 『寒いねっ』 アタシは彼と手を繋いだ。 照れたようにハニかむ彼。 ほら もう落ちる。