紫苑 奏恋 冬白君……
私の恋はどうもややこしい。

私は視線を外から本に移すと、いそいそと読書を始めた。
最近の私のバイブルだ。

恋愛小説で、好きな人は自分の親友が好き…という話。
正に私のような。

おそらく、この話は主人公が幸せになるだろう。
じゃあ――私は?

物語は現実じゃない。
でも正直、少し憧れを持っている私が居た。


この本は1章毎に色の名前が付いている。
今読んでるのは1章――「purple」…紫。

愛の色・赤+寂しげな色・青…2色が混ざった色。
私は勝手にそう解釈している。

この本――正に私のようで。



The mind clears up and becomes cloudy.