絋未さんが哀しそうに笑う。 私はフォークを手に持ったまま、絋未さんの話を遮ることはしなかった。 好奇心とまだ残る染み付いた想いが、聞きたいって思わせたのかもしれない。 聞かないほうが良いこともきっとある。 知らないって事はその人にとって“無い”も同然で、それは柚杞が敢えて無かった事にしてたって事なのに。 聞いてしまった私はやっぱり馬鹿だったんだと思う。 この後聞かされる柚杞の話にあんなに揺らがされるなんて思わなかった。