そう言った五十嵐君は、 今まで私が見てきた五十嵐君とは全然違って、 絞りだすような声で、 擦れた声で、 似合わないこと言うから、 少し震えた腕を、 誤魔化すようにして きつく私を抱き締めたから 安心しそうになった私がいたんだ。 柚杞の秘密を目の当たりにしたせいなのかな? 知らされた事実が受け入れきれないせいなのかな? 五十嵐君の両腕を 五十嵐君の言葉を 拒めない自分がいたの。 …離してって突飛ばせなくって、嫌だって抵抗出来なくって… 溢れた涙は誰のためのものだったんだろう?