「すいません…遅れてしまって」

俺が来てから10分後くらいに彼女がきた。

美葉さんはとても小柄で背の低い人だった。
優しい髪の香りと彼女の綺麗な瞳に一瞬で目を奪われた。


「あ、いや…いいですよ?」

俺もどもりながら彼女にそう答える。

「すいません。えっと……」

次の言葉が見つからないらしく、彼女は
下を向いて顔と耳を赤くしながら俯いた。

そんな仕草があまりにも可愛かった。

それから5分後くらいにようやく話し出した。


「私……要くんの事が好きなんです」

「――え・・・・?」

俺は驚いた顔で美葉さんを見た。
告白に驚いたんじゃない、自分の名前に君付けだったから。

つまり、俺と美葉さんは同じ学年だという事だ。

予想していたことよりはるかに違った。
同じ学年…高2の同級生だったから。


「あのさ、もしかして同じ学年?」

俺は恐る恐る聞いてみた。
すると彼女は顔をまた赤くしながら頷いた。

――同じ…同級生か。

俺は心の中でひとり、呟く。

ふと見ると、美葉さんは困った顔で俺を見た。


あっ…告白の返事しないと……
俺は静かに口を開いて喋り始めた。


「ごめん。俺、美葉さんのこと、あまり知らないから…。でもお友達から初めていいですか?」


彼女は一瞬だけ悲しそうな顔をしたけれど、
すぐに笑顔になり、元気よく「はい!」と言った。


そして俺は美葉さんとメアドを交換して、
学校の校門のところで別れた。



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