「終わんなぁぁい!!」

「だよね!まだ4人も残ってる」


「多すぎ」


「同感。」




・・・


さっきからこんな調子。
一旦は盛り上がるけど、すぐに沈黙になる


「あ、明日テスト渡るじゃん!!」


「そうだった〜あたし、ヤバいよぉ」



お互いに、話題を一生懸命考えて話しを繋げていく


沈黙になると気まずくなって...



「そういえばテレビ見た?」


「あ、見た見た。」



なんか

疲れるな


友達との会話ってこんな大変だったけ?






「あぁぁっ!!」

それから一時間ぐらい経ったごろだと思う

涼香が急に大声をあげた


「思い出した!今日、塾だ」



「え?じゃ、行ってきなよ。どうせあと1人ぶんだしさ。
あたし、やっとくから」


「本当?マジごめんっ
ありがとぉ」




そして、最後に


「奈美は、あたしにとって一番の友達だよ!」


そう言ってあたしに手を振り、教室を出ていった。



涼香の言葉に頬が緩む



「一番か」


今は素直にこの言葉が嬉しかった







―ガラガラ


「あ、、」



美香が忘れ物したみたく、教室に入ってきた





緊張する。周りから見れば不自然だよね。 きっと



バサバサッ


「!?」




美香の机の中からは汚れた教科書などが落ちてきた。

別に、あたしはやってない

ただ祐実達がしてたのを見てただけ



授業中、見えないところで美香に向かってなげた紙飛行機


気持ち悪い絵と侮辱する文字...



全部 全部

見てただけ



見てただけだから。


「はい。落としたよ」



「…ありがとう」








最後に一言行って、帰っていった



見てただけだし

あたしは何もしてないし



ただ見てただけだから